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【ポストMDGs】第3回ポストMDGsNGO・外務省意見交換会 報告

2012年11月14日、「第3回ポストMDGs NGO・外務省意見交換会」が開催されました。
以下、出席したNGO・外務省間で共有された議事録をもって報告といたします。

1.基本事項

日時:2012年11月14日(水)16:45-17:30
場所:外務省本庁舎会議室
出席者:外務省:5名、NGO:29名

2.報告事項・外務省

(1)国連「ポスト2015年開発目標に関するハイレベルパネル」
国連事務総長が設置した27名で構成されるハイレベルパネルがあり、日本からは菅直人・前内閣総理大臣が参加している。既に2回会合が開催されており、次回開催は2月にリベリア(その後1月29-30日に変更)、その後3月にインドネシアの予定。5月末のNYでの最終会合をもって事務総長に報告書を提出することになっている。

(2)コンタクト・グループ会合
日本政府が主催している「ポスト・ミレニアム開発目標(MDGs)コンタクト・グループ」では、過去4回会合を行っている。様々な国や国際機関、NGOらの参加を得て議論を行っている。交渉ではなく自由な意見交換ができることが強み。そこで出てきた議論の内容を「暫定議長ノート」の要約版としてハイレベルパネルに提出。外務省のウェブサイトでも見られる。

(3)国連総会(ニューヨーク)でのサイドイベント
国連総会での関連サイドイベントとして、多様なステークホルダーとハイレベルパネルとの対話イベントを開催した。ハイレベルパネルの第1回会合と同日の開催であり、500人以上の参加があり関心の高さが示されるとともに、日本のリーダーシップを示すことができたと考えている。

(4)IMF・世銀総会年次総会におけるポストMDGsに関する公式セミナー(POS)
500人以上が参加。大変盛況であった。

(5)TICADとの関係
TICAD Vの開催はハイレベルパネルのレポート発表の翌日となることが想定されているので、アフリカ諸国自身が、ハイレベルパネルのレポートやポスト2015の開発アジェンダを自らのこととして取り組んでもらえるように、TICADでこの議題をどう扱うか議論をしている最中。

(6)SDGsについて
リオ+20の際に、30か国からなるオープンワーキンググループを設立し検討を開始することが決められたが、ニューヨークで30か国の選定が難航しておりサブの議論がまだスタートしていない。おそらくサブの議論は来年からとなるだろう。ポストMDGsの議論はハイレベルパネルで動き始めているが、SDGsの方の動きは見えない。SDGsはポストMDGsに統合されることになっているが、そのプロセスは誰にも見えていない状況である。

3.報告に対する質疑

NGO1
ハイレベルパネルのレポートのその後、SDGsの扱いについて

外務省A
議論が始まって間もないので予見であるが、ハイレベルパネルではSDGsに関する議論を排除しないということになっているものの、おそらくSDGsについては扱わないのではないかという見方が強い。国連事務総長に報告書が提出されたのち、国連事務総長自身が報告書を作成し、次期国連総会で特別イベントを開催する流れになっている。2013年の秋以降、政府間の議論となるだろうが、そこで難航するのではないかと予測している。

NGO2
国別・テーマ別コンサルテーションの扱いについて

外務省B
国別・テーマ別コンサルテーションは、ハイレベルパネルにも直接報告されることとなっている。2月~3月ごろに国連として報告をとりまとめ、5月に出されるハイレベルパネルとしての報告書の検討材料ともなる。ただしいくつかのコンサルテーションは、タイミング的に報告書作成に間に合わないものもあり得る。

4.NGO側からの提起と質問

(1)議題1. ポストMDGsでは「権利ベース・アプローチ」を主軸とすべき点について 

NGO2
現行MDGsは人権保障の観点が十分ではなく、最も貧しい人たちの権利を守ることによって貧困改善に直接アプローチをすることができていない。それゆえ、農地改革の未徹底、スラム等の居住権の未確立などの貧困層が直面する人権問題に正面から取り組んでいない。ポストMDGsでは「人権に基づくアプローチ(RBA)」をあらゆる分野の原則とすべきである点を提起したい。生存権の実現として行っていくべきでは。

外務省A
人権が大切ということに関してはどこの国も異論はないが、それをゴールに落とすかについては議論があり、個人的には難しいだろうと考える。ゴールの政治的な宣言文の中に入れ込む形になるのではという見込み。RBAそのものを明示的に支持している国は非常に少なく、RBAを入れ込むことは非常に難しいだろう。ただ指摘のような、ボトムアップアプローチは人間の安全保障の1つの観点であり、どうやってポスト2015アジェンダに入れ込めるかには知恵を出していきたい。衡平性の観点は、日本もポストMDGsに原則として入れ込みたい。原則的に再分配政策など国内施策で行うことであるが、どのように具体的なゴール、ターゲットで測定可能とできるか、考えて発信をしていきたい。

(2)議題2. ポストMDGsコンタクト・グループ「暫定議長ノート」要約版について

NGO3
質問1:市民社会としては、1.すべての国がコミットする基本目標としてグローバル目標を設定したうえで、2.各国の国内ステークホルダーのオーナーシップを確保し、国情に適し、成果への意欲に基づいた取り組みを加えるために国別目標を設定する、という関係にすべきと考えるが、暫定議長ノートの要約版の記述の理解もこれと同様か。

外務省A
提案のように、まずグローバルなゴールがあり、国の事情を踏まえたターゲット設定であるべきということでコンタクト・グループの議論もなされている。

NGO3
質問2:現行MDGsからいくつかの課題を「落とす」ことには、各国政府の説明責任と信頼性を著しく損ない、対象の人々の暮らしや人権に影響をもたらす危険性を伴うが、これを回避するためにどのようなことができるか。
.・優先化をする際に、恣意的な選別ではなく、特に基本的人権の普遍性に鑑み、様々な課題の背景に共通する構造的側面や、複数の課題が貧困層の暮らしに複合的に負担を及ぼすメカニズムなどを踏まえ、克服するような「優先化」であるべきと考えるが、この点についてはどう考えるか。

外務省A
指摘に同感。ロンドンでのハイレベルパネル会合の際には、市民社会側から44のゴール案が出されたと聞いているが、あるパネルメンバーからは「全員を満足させる結果は絶対にない」と指摘。簡潔で明快な目標とするため、ある程度現実的に、優先順位をつけてゴールを絞る必要はあるだろう。現行MDGsで保健関係が3つあるものは整理・統合がなされ得るが、その場合もきちんとした議論を行い、説明責任を果たす必要がある。

外務省B
IMF世銀総会のPOSにおいてJICAの田中明彦理事長も同じような指摘をしており、各要素間の因果関係・影響を見極めた上で一番大きな影響のある要素を見つけ、目標体系に取り込み対処すべきと言っている。ハイレベルパネルの中でも、乳幼児死亡率の低下には女性のエンパワーメントが影響しているとの指摘が出ていた。そのような検討の方向性になるだろう。

NGO3
質問3:存在感を増す民間セクターの開発効果を確保するために、どのような政策枠組みが必要だと考えられるか。
我々が必要と考える内容としては:
.・民間セクターの活動による負の影響を抑え、彼らの能力や影響力を開発効果に誘導するための適切な規制や制度(抑制とインセンティブの効果的な組み合わせ)
.・民営化や、民間セクター主導になじまない特定部門(例: 保健、教育、防衛、警察、司法)については、アカウンタビリティを強化した形での公的セクター(再)構築。
.・貧困削減や格差縮小の目的に適った形での、民間アクター間の利害調整。(例:海外アグリビジネスや商社と、途上国の小規模食料生産者の間)

外務省B
さまざまなアクターの強み・弱みを把握した上で、適切なコンビネーションとなるように国際協力の枠組みを作る必要があるだろう。目標体系の中に民間セクターの細かい役割まで記述することは困難だろう。他方、ポストMDGsの議論が進む機会に民間セクター等がそれぞれガイドライン等を作成し、新たな目標体系では政府がそれらガイドラインに沿った企業と協働している割合を見るなどして間接的な取り込みを図り、ガバナンスや透明性の向上を行うことが考えられる。一部のハイレベルパネルのメンバーも同様の見解を持っているようである。

NGO3
質問4:ポスト2015の枠組みにおいては、政府の対等なパートナーとしての市民社会の位置づけやその主体性について適切な認識を共有する必要がある。 特に第4回援助効果ハイレベルフォーラム(HLF4)で採択された「効果的な開発協力のための釜山パートナーシップ」という成果文書で、市民社会の役割と効果的な開発協力を可能にするための各国政府の取り組みを定めた内容を踏まえるべきだと考えるが、この点についてどう考えるか。

外務省A
市民社会といったときに、あるグループが正当な市民の代表であるとどのように保証できるのかが課題である。その意味で、個人的には市民社会と政府が対等なパートナーだというところには留保がある。

(3)議題3. ポストMDGsの開発目標における「不平等への取り組み」の位置づけについて

NGO4
「不平等への取り組み」については、これまでのポストMDGsの議論においても重要性が頻繁に言及され、「衡平性」や「平等」はキーワードの一つとなっているが、具体的な動きについての議論はまだ活発ではない。格差の解消に本気で取り組もうとすれば、より底辺の人々への援助のフォーカスやアカウンタビリティや透明性の向上などの政治的取り組みが重要になると思われる。日本政府としてポストMDGsにこの課題をどのように位置付け、また国際社会として対応するのが適切と考えるか認識を聞かせてもらいたい。

外務省A
不平等と格差是正への取り組みについては現行MDGsで十分対応できておらず、ポストMDGsにおける最重要課題のひとつと捉えている。しかしこれまでの議論の中では、具体的にどう取り込むか決まっているわけではない。格差是正に取り組むのであれば、所得再分配や最貧困層への対処など国内施策だけで取り組んでいても十分でなかったため、ポストMDGsで国際レベルの問題として取り組んでいく必要がある。民族や年齢、収入等で細分化したデータを収集し、より衡平性の確保に寄与するようデータを共有し国際的に活用していく必要がある。不平等や格差是正に関しては国際社会で取り組むべきと日本政府も主張。細かいデータをとっていくと、人種差別など社会的な問題や政治的にセンシティブな課題もあり得る。

(4)議題4. 教育分野の開発目標についての提案

NGO5
教育分野の開発目標について教育協力NGOネットワークから提案を行いたい。
1. 目的としての教育(権利)と手段としての教育、2. 達成されてない課題の達成期限を延長すべき、3. 追加されるべき教育課題、4. 基礎的社会サービスの財政と相互責任

外務省A
教育について日本はこれまでも重視していたしこれからも同様。教育はゴールから落ちることはないだろう。まだ国際的な議論の中でファイナンスは本格的に議論されていないが、リオ+20でも大きな議論となった。2014‐15年頃に大きな議論になるだろうと予想している。

(5)議題5 アフリカにおけるIMFと世銀の援助政策と「ポストMDGs」

NGO5
モザンビークはここ数年、国としては年率6-7%の経済成長を続けているが、地方ではむしろ貧困率が増大している。5歳未満児童の栄養状況が悪化しているのは、政策面で見れば主要援助機関であるIMFや世銀の援助政策に問題があるためと考える。日本がアフリカ援助を検討する際は、主要政策を形成しているIMFと世銀の政策を批判的に検討し、その国に最適の政策を立案すべきであるが、ポストMDGsに向け、これについてどう対応するのかを伺いたい。また、UNEPとUNDPを統合すべきであると考える。

外務省A
世銀・IMFの施策については是々非々で検討したいし、今後勉強させてほしい。
UNEPはリオ+20で強化について話し合われた。UNEPの管理理事会を全加盟国に広げること、予算強化が検討されている。

外務省C
このような高い経済成長率がありながら、貧困削減につながっていない国は多い。モザンビーク政府は国家予算の半分以上が援助資金。援助を受けるコンディショナリティーの1つとしてガバナンスの向上があり、その影響もあり高い成長率が維持できている側面もあるだろう。

(6)議題6 当事者(特に子どもや若者)の声をポストMDGs作成プロセスに取り入れるために

NGO7
2015年から未来の目標設定に向けてその対象となる当事者、ポストMDGsの時代を担う子どもや若者の声が聞かれることは重要であると考えている。これから途上国10か国(ケニア、南アフリカ共和国、ウガンダ、インド、インドネシア、ブラジル、コロンビア、ボリビア、ホンジュラス、アルメニア)でのコンサルテーションプロセスにおいて、子どもと若者の声を各国政府に届けようとしており、日本でも子どもや若者の声を聞く機会を持とうとしている。世界で話し合いが行われていく中、子どもや若者を含む当事者の声を聞く重要性を認識し、実際に聞くことができるようにこのプロセスを促進していくことについて、考えを聞かせてもらいたい。

外務省A
UNDPが中心となっている国連のコンサルテーションのプロセスがあるので、その中で若い世代の声を吸い上げていくことが重要。またそれぞれの国が、若い人に限らず、社会の意見を聞いていく必要がある。また、SDGsこそ若い人の意見を聞いていくべきという指摘を先日シンポジウムで意見をもらったが、それには同感である。

NGO8
今後のプロセスについて。

外務省B
予定は未定だが、2015年まで現行MDGsが続くことを考えると、あまりに早く総会決議を採択するのは良くないし可能性は低いだろう。おそらく2015年中、9月の総会もしくはその後になるのか、そこを目指すことになるだろう。

5.情報の共有

(1)NGO9より、”Beyond MDGs Japan”についての説明
(2)NGO10より、関西でのシンポジウムでMDGs関連のフォーラムを開催することのお知らせ

6.閉会挨拶

NGO1:良い議論が出来た。意見交換の質がだいぶ高まっていると感じる。来年度前半までが鍵なので、もう少し議論のレベルや回数を高めていければ。


以上



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