2012年2月8日(水)、
STAND UP TAKE ACTION(スタンド・アップ)を主催したNGOネットワーク「動く→動かす」は、藤田幸久財務副大臣との会合を行いました。この会合は、スタンド・アップに全国から寄せられた想いを日本のリーダーの方々に届け、世界の貧困解決とミレニアム開発目標の達成に向けて、日本政府がさらに努力を進めることを訴えるために開催されたものです。
会合では、まず「動く→動かす」事務局長の稲場雅紀が、毎年世界貧困デー(10月17日)前後にキャンペーンを行っており、2011年は国内47都道府県から3万1389人の参加があったことなど、キャンペーンの概要や結果を報告。また、「震災復興と世界の貧困解消はつながっており、両立させることが大切だ」という声が東日本大震災の被災地からもたくさん届いていることを紹介し、日本政府には震災復興と世界の貧困解消の両立にしっかりと取り組んでほしいと要望しました。
続いて、スタンド・アップ参加者を代表して、岩手県立不来方(こずかた)高校3年生の高橋祥夏(たかはし・しょうか)さんと八木夏海(やぎ・なつみ)さんがスピーチを行いました。不来方高校は毎年スタンド・アップに参加しており、高橋さんと八木さんは2011年のスタンド・アップ・メイン・イベント「震災を通して見えた世界と日本」にもゲストとして登壇しています。
2人はまず、東日本大震災直後に訪れた留学先で日本への支援活動を目にし、そこから「援助のあり方」を学んだこと、現地で称賛されたつながりや思いやり、助け合いを大切にする日本人の心を、これからも大切にしたいと思っていることなどを発言しました。
その上で、「私たちの本当の声に耳を傾けて欲しい。若者は政治や日本の状況にあまり関わろうとしてこなかったけれど、この震災を経て、被災地の若者こそが声を大きくしていかなくてはならないと考えている」(八木さん)、「被災した一人ひとりが苦しみや悲しみを一生抱えていく。でもこの辛さを克服して乗り越えることが私たち若者の使命であり、世界のあらゆる困難を救う強さに結びつけたいと強く思う。日本から世界を変えていけると信じている」(高橋さん)と、被災地の若者としての想いを伝えてスピーチを締めくくりました。
その後、津山直子・「動く→動かす」代表ら会合参加者と藤田副大臣とで意見交換が行われました。「動く→動かす」からは、次の2つの要望をお伝えしました。
- 教育や保健などの分野で確実な進展が見られるミレニアム開発目標(MDGs)達成のために、今以上の取り組みをお願いしたい。
- 2015年以降も貧困をなくすための取り組みが継続されるよう、日本政府がリーダーシップを取って欲しい。
これに対し、藤田財務副大臣からは、
- これまでパキスタンやインドネシア、ハイチなどでの災害支援にも関わっており、困難への支援に国境はないと考えている。
- 高橋さん、八木さんのメッセージを関係閣僚や党の議員に読んでもらうようにする。
- 途上国の債務帳消しキャンペーン「ジュビリー2000」での自身の経験から、世論や雰囲気の後押しが重要と感じている。
などのご発言をいただきました。
藤田副大臣は、3万人を超える市民が「スタンド・アップ」に参加したことを真摯に受け止めてくださった様子で、会合は予定を大きく上回る40分間にわたって行われました。
「動く→動かす」としては、今後とも、世界の貧困の解消、ミレニアム開発目標の達成のために、「スタンド・アップ」をはじめ、多くの人々が参加できる機会を提供していくとともに、市民・国民の意見を、日本のリーダー層にしっかりと伝えていきたいと考えております。
「動く→動かす」、藤田幸久・財務副大臣と会合 スタンド・アップの成果を伝え、国際協力と震災復興の両立を訴える
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