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【ポストMDGs】第2回ポストMDGsNGO・外務省意見交換会 報告

2012.8.28


2012年7月17日、「第2回ポストMDGs NGO・外務省意見交換会」が開催されました。
以下、出席したNGO・外務省間で共有された議事録をもって報告といたします。

日時:7月17日(火)4時30分~6時00分
場所:外務省本庁舎会議室
出席者:
◎外務省:地球規模課題総括課
◎NGO:40名

次回会合日程
8月下旬か9月上旬の開催を希望する旨NGO側から提案あり
(9月中旬に外務省では第4回コンタクト・グループ会合を予定)

討議内容

<議題1  6/1国際開発会議、7/1医療保健学会の共有>

NGO①
6/1開催の国際開発学会2012年度春季大会プレイベント「ポストMDGsはどうあるべきか」(参加約200名・於横浜)に司会として参加。外務省地球規模課題総括課長、同学会会長(兼アジ研研究企画部長)、JICA理事、JANICが発言。全体的にポストMDGsの議題の棚卸し作業。今年中では11~12月頃全国大会で再びトピックになる予定。
(報告参照:http://www.jasid.org/wp/archives/995

NGO②
7/1日本国際保健医療学会フォーラム「ポストMDGsについて」(参加約150名・於(独)国立国際医療研究センター)。外務省国際協力局国際保健政策室長、厚労省大臣官房国際課課長補佐、東大医学系研究科国際地域保健学教室教授、NCGM(国立国際医療研究センター)国際医療協力局派遣協力専門職、アジ研研究企画部長、ジョイセフ専務理事、動く→動かす事務局長ら発言。

以上2つの学会を通じて、研究者と実践者の連携強化を図った。

外務省
できるだけ沢山の人に議論に参加してもらった積み重ねの上で、日本のポジション形成を図りたい。議論で先頭を行くNGO以外にも、役所や、研究者、産業界等にも参加してもらうことが肝要。NGO側としても他のステークホルダーや市民一般に対しポストMDGsの議論がすでに開始していることを啓発し、巻き込んでいってほしい。

<議題2  最近のポストMDGsの動き>

外務省
1年前はポストMDGsの議論開始すらためらっていた状況だったが、最近はNGO始め議論が本格化してきた。様々なステークホルダーの議論が進んでいくが、それらが咬み合った議論になることが必要。国連事務総長もポストMDGsに関するハイレベルパネルを立ち上げる予定であり、国連での公式な議論も本格化にさしかかる。外務省は2011年末以降3回にわたってコンタクト・グループという非公式な政策対話を、20か国程度の関心国と主要国際機関との間で、研究機関やNGO等のゲスト参加も得て実施し、方向性が浮かんできた(後述)。次回第4回会合は国連総会前の9月中旬に予定。今後ともNGOとの意見交換会は時宜を捉えて行いたい。

2012年6月、韓国開発研究院などが主催、外交通商部の後援でソウルにて、アジアのポストMDGsを主題とした会合が開かれた。研究者中心で政策担当者を含むトラック1.5で、MDGsやSDGsについて議論。開発計画省庁など、ASEAN+3(日韓中)+インドから出席し、東南アジアを巻き込んだ議論ができたことは評価に値する。

コンタクト・グループでの議論で浮かび上がった点は、現行のMDGsを器とし、期限を区切った数値目標を立てている簡素で明確で理解が容易な現行MDGsの強みはポストMDGsにも活かすべきということ。ただしこの10年の変化を踏まえて、「成長により富を創出し開発につなげる」部分を強化、国内格差是正を測定するシステム構築で状況改善、進んだ開発が後戻りしないようにガバナンス等環境以外の広い意味も含んだ持続可能性の要素を取り入れること。また、「外的ショック(紛争、経済危機、災害)に対抗する強靭な社会」をどうポストMDGsでつくっていくか。さらに、分野内でゴール設定して取り組む限界も認識されていることから、包括的・分野横断的に取り組む必要があるが、この点の指標化は大きな課題だ。

NGO③
韓国会合の内容は具体的にどういったものだったか。

外務省
基本的にコンタクト・グループの議論と変わりなかった。韓国開発研究院では、カナダの研究グループ「CIGI」(Center for International Governance Innovation)にタスクアウトしており、CIGIでは現行MDGs策定に携わった人たちを取り込んで研究・提言を行っている。MDGsのように分野を絞り込んだSimplicity・Clarityを維持し、システマチックな目標を立てるのが理想。
*CIGIウェブサイト http://www.cigionline.org/

<議題3  ポストMDGの内容>

3-1) SDGs・ポストMDGsの目標の性質

NGO③
SDGsについては、リオ+20で策定することが決まり、30ヶ国から何らかの代表が選出されてワーキング・グループが発足することとなったが、この代表がどのように選出され、それぞれが何を代表するのか(専門家なのか、国の代表なのか)、また、このワーキング・グループのマンデートがなんなのかが分からない。一説によれば、来年の国連総会に向けて何らかの文書を提出するということになっているが、何を提出するのか。また、このワーキング・グループの設置の理由は、MDGsのように、途上国の主体的な参加が少ないままで策定されることへの途上国の反発ということだったと思うが、あいまいで決まっていないことが多すぎるのではないか。これについて、日本政府の見解は如何か。

また、SDGsとMDGsとを統合していく過程で、先進国を含め、全地球的に適用する目標と、特定の国だけに適用する目標、また、各国の発展度合によって責任や義務が異なる目標が遍在することになると思われるが、かなり混乱したり、貧困国が本来負うべきでない責任を負わされる、先進国が、負うべき責任を負わなくなる、といった問題が生じるのではないか。これらについてどのように考えるか。

外務省
両質問とも極めて重要であり、的確な質疑に謝意。
1つ目に関して、SDGsに関する具体的な方針は日本政府としてもまだ手探り状態。ワーキンググループ30カ国も、参加する代表の出身国・地域のバランスをどうするか、レベルは本国の行政官か、各国の国連代表部レベルか、研究者かも、未だ分からない状態なので、様子を見つつ合理的で一致できる部分を探りながら対応する。2013年9月の国連総会までの1年間、まずはワーキンググループで議題など整理して、現行MDGsではあまり深まっていない持続可能性に関する議論を深めること。MDGsは開発に集中し、環境面でバランスがよい内容とは言えない。まずは、細かい指標設定より、盛り込むべき事項をどんどん提案してもらって、それを来年秋以降にポストMDGsの器の上に載せていくことがスムーズなのではないか。

2つ目に関して、SDGsを全ての国に適用するものとして捉えれば、現行MDGsが途上国中心の目標となっている構造とは差が出てきてしまう。しかし、開発との歩み寄りの余地はないわけではなく、また以前と異なり「先進国」と「途上国」のボーダーが曖昧になり、途上国の中にも様々な国がある。ポストMDGsで地球公共財を扱う場合でも、そういった国ごとの多様な状況を反映して、何らかの区別をつけること(distinction)はあるだろう。

NGO④
外務省のSDGs関連の体制はどうなっているか。

外務省
MDGsを統括する地球規模課題総括課もSDGsを統括する地球環境課も地球規模課題審議官の下にある。地球規模課題審議官の下で連携して進めている。他省庁との関係ではすでにポストMDGs関係省庁連絡会議があるが、SDGsに関しても同様に行なっていけばよいと考えている。ポストMDGsとSDGsのサブスタンスについては、どちらか一方が先走らないよう留意。SDGsの具体的な構想については、SDGs議論の牽引役であるコロンビアやグアテマラの提案を待たずに日本国内での議論を進めるとかみ合わなくなるおそれもあるため、現在は彼らの提案を待っている状態である。

NGO⑤
分野横断課題をどう目標に組み入れるか、具体的な案はあるのか。

外務省
難しい課題のひとつであり、単純な回答はないが、例えば途上国内においてMDGs担当省庁を中心に政府全体で調整チームをつくるという案があり得る。また、他の分野と絡めて進行させないと達成できないような目標設定にするとか、分野別ではなく「大人」「子供」「女性」「障害のある人」など個人に焦点を当てて対象ごとの目標にするとの提案もある。また、地域レベルの政策委員会等に、草の根で困っている脆弱層をサポートする役割の人を置いて、その人を窓口として政策とつなげる道を模索するといったようなことも考えられるのかもしれない。

3-2) Inclusive Growth(包摂的成長)

NGO②
ポストMDGsの主要議題の一つとしてInclusive Growthがあり、いろいろな討議がなされているが、必ずしも十分な実態や明確な定義が伴っているように思えない点がある。どのようにすればGrowthがInclusiveになるのか。そこには、社会政策、社会保障政策、また、もともと市場外のものを市場の内部化する趣旨での規制など、どのようなものが必要なのか。市民社会としても、具体的なグッドプラクティスを探っていきたいが、外務省として、現在検討している政策オプションなどがあればお伺いしたい。

外務省
成長は単に経済成長の率というだけでなく、例えば、雇用を大量に生み出すこと、脆弱層を雇用する事などが必要になる。開発に取り残された人々、一時雇用から外れている人を積極的に雇う、また、社会保障や職業訓練を積極的にやるなど、多くのオプションがある。現状で一点に絞れるものではない。

NGO⑥
アフリカでは、会社や工場勤めではなく、生存限界で何とか生きている農民・牧畜民が一番多く、この人たちが貧困層を形作っている。その場合、先進国のような形での雇用のようなものをイメージしても現実にそぐわない。

外務省
その通りで、サブサハラ・アフリカではフォーマル・セクターで就業している人は一割しかおらず、その外にインフォーマル・セクター、さらに外に自給自足の農家などが人口の大部分を占める、という実態は理解はしている。このような人々についても新たな枠組みに組み込む必要がある。

NGO①
南アジアでは農地すらもたない人も。社会福祉やマイクロ・クレジットなど以外にも、農村の雇用保障システム「ヌレガ*」のような好例が、包摂的経済を構築するヒントになるのでは。原理・目的が無いと、形容詞で言葉遊びをするより政府としての意識付けができているかが重要。

外務省
その通りだが、その形容詞付けですら反対している国々があるところ、何とかそこまで持っていかなければならないというのが実態。グリーン経済への移行を掲げたリオ+20は、その意味で意識を変える役割を果たしたとも言えよう。形容詞付けの後には、実質的な弾込めのやり方を考える必要がある。

NGO⑦
途上国でも原子力発電所を建設してエネルギー不足を補おうという考えがある。日本は福島の事故を踏まえる必要があると思うが、原発を推進したい途上国に対して、日本としてどのようにアプローチするつもりか。

外務省
それについて、当課では責任を持ってお答えすることはできない。むしろ、ここで討議するのは、エネルギーへのアクセスをどう構築するかや、漏電・盗電の防止と言ったエネルギー管理のガバナンスの話題にどう対応するかに焦点を当てるべきではないか。

NGO②
実際、途上国でも火力・水力などの発電所の老朽化などに伴い、経済成長において原発を具体的なオプションとして考える国が増えてきている。ポストMDGsでは経済成長が軸になると言われているが、そこでは、いわば付随的な課題のみならず、エネルギー課題の中心的な課題についても触れることになるのか。その場合、原発に関するポジショニングも必要になるのではないか。

外務省
たしかにエネルギー課題は経済成長と関係する。一方、火力か原子力かといった議論に発展させると、その業界の専門家を入れなければならず、開発関係者だけでは手に負えなくなる。時間に限りのあるポストMDGsの討議の場で、メインにすべきテーマにはならないのではないか。

NGO⑥
アフリカの人々の多くは地域に分散して住んでいる。そういう人たちにとって、原発のような集中的なシステムが回答にならないことは明白。エネルギーへのアクセスという観点から、ローカライズされ分散化された小電力というのがモデルになるのではないか。

外務省
アフリカでエネルギーのアクセスに焦点を当てて考える限り、仰る通り選択肢は明確と考える。

3-3) 保健

NGO⑧
保健MDGsは進捗が遅れており、MDG5だけでもたくさんの課題があり、まだ達成されるめどもない。MDG5で妊産婦の施設分娩の普及に努力しているが、医師がいない、必要なサービスがないなどの理由で進展がはかばかしくない。エイズ、結核なども関係する。サービスの基本となるモノが圧倒的に必要な状況で、モノを必要とする人口は増えている。さらに非感染症も加わるとなると保健課題を解決するために必要なメニューは膨大となる。こうした中、ポストMDGsで3つを1つに統合するという意見もあるが、前述した課題を解決に導ける一つのゴールはどういったものが考えられるか、1つにしたところで資金を必要としている課題に向けてグローバルな資金確保ができるのか、政府としての方針を伺いたい。

外務省
当方では、現時点で保健課題を一つに統合するとの立場を持っているわけではない。資金確保はまず重要である。そこには政治的な意思が関係する。一方で、やるべきことをすべて目標に入れることにして、その結果500、1000の課題を目標体系に入れるという方法があるが、他方で、多くの人々に関心を持たせ政治的意思を確立するため、短く、簡潔で分かりやすく、せいぜい8から12程度の目標にまとめる方法もある。これはトレードオフの関係にあり、何らかのバランスを取る必要がある。

NGO③
保健MDGsについて指摘された問題点の一つに、目標毎の垂直型の資金の投入で保健システム全体のバランスが崩れたというものがある。一方、保健MDGsには、「誰の置かれた状況が改善されるのか」が明確だという長所があったが「経済成長」アジェンダの下で保健について水平型目標だけにしてしまうと、手っ取り早く治療できる人や経済成長に役立つと思われる層にばかり集中をし、脆弱層が排除されるようなことになりかねない。こうした点でバランスを取る必要があるが、そこをどう考えるか。

外務省
ポストMDGsの議論を聞いていると、衡平性(equity)を訴える主張の力は相当に強い。だから、equityについて無視される、ひどい内容になる、というようなことは、必ずしも考えられないのではないか。ただし、脆弱な立場に置かれる人たちのことを考えると、垂直型から水平型への単純な移行といった平板な議論には要注意、ということは確かに留意しておくべき。分野ごとに脆弱層に対処するような方法もあり得る。

NGO①
「growth」と「poverty reduction」が噛みあっていないことに原因があるのでは。目標設定では後者を先にもってくるべき。

外務省
Poverty reductionは神棚に祀っておくものではなく、市民大衆の関心を引く道徳的な力を持っており、これをパワーアップするため、poverty reductionを今後具体化するための仕組みを作るのがポストMDGsの作業であると考える。

3-4) 中所得国と援助・目標達成のための資金

NGO③
まず一般的に言われている「MDGsは、ODAに頼りすぎている」という誤解を解いておきたい。実際は保健分野でいえば9割は自前である。低所得国より上層中所得国(UMIC)が援助を受けにくい状況をふまえて、UMICの位置付けについてどう考えているか。また最近では国内格差のほうが問題とAU内でも議論があり、国内税収でまかなっていく国と、引き続きドナーの財源を頼りにしなければならない国もある、それぞれの位置付けについてはどうか。

外務省
国内税収で、という話を検討するとき、徴税システムの確立と汚職撤廃が先立つ課題であり、これはどの国でも同じ話。それで足りない部分をODA、民間投資、財団の貢献といったもので補うなどして、複数の資金リソースのベストミックスを探していくということだと考える。世論との関係もありUMICに譲許性の強いODAは難しいが、資金の出し手の多様性も含めて議論することが、最低限必要。

3-5) 防災

NGO②
現在の防災に関する考え方は自然災害に偏っているが、鉱山開発などに伴う公害や有毒物質の流出といった人災にも対応する必要があるのではないか。また、水関連災害について検討するに、大都市のスラム街は水へのアクセスが必要であるため川沿いに集中している、また、土地へのアクセスが制限されているため、海沿いに大規模な水上集落が形成されるといった状況があり、これらは脆弱性が極めて高い。MDG7の課題(都市スラムの改善および水衛生)と「防災都市づくり」との間での整合性、連関性が課題ではないか。これについてどう考えるか。

外務省
災害が起きやすい所に人々が密集して住んでいたり、産業地帯が林立していることにより、災害による被害総額がどんどん増大しているのが問題。この点は明示的にポストMDGsに取り込むべきである。指標化については、2015年まで世界各地域で行われるISDR(国連防災戦略)や他のフォーラムの各種防災関係会議の動きも取り込んで議論を詰めていきたい。

<議題4  関連イベント・キャンペーン>

・世銀・IMF総会:ポストMDGsのCSOポリシーフォーラム
・グローバル・フェスタ:国際協力局政策課担当
・よこはま国際フェスタ(10/20-21)―4つのテーマのうち1つが「MDGs」
・ワンワールド・フェスティバル(大阪2/2-3)

NGO⑧
名古屋のワールド・コラボ・フェスタ(JICA名古屋デスク、名古屋国際センター交流協力課など主催)は、名古屋NGOセンターは主催団体から外れた。名古屋の自治体も資金不足で、都心や商業都市での目を引くキャンペーンはお金をかけてできるが、地方で資金のない中で、どう機運を高めるかが課題になっている。

外務省
資金を出せる主催団体と企画内容を調整して、主催団体が行うセミナー等にNGO側もパネリストとして参加して発表やするなど枠を貰えるのではないか。

NGO⑤
現状のワールド・コラボ・フェスタのしくみはそうなっていない。

NGO⑨
2月のワン・ワールド・フェスティバルの時期に、連携推進委員会の地方開催を検討している。まだ検討段階だが、ポストMDGsに関するイベントを行うなどの選択肢があるかもしれない。

<議題5  その他の課題>

NGO②
今後のポストMDGsに向けた動きについて簡単に説明してほしい。

外務省
9月中旬にコンタクト・グループ会合を予定している。場所的にはニューヨークが最もよいと考えている。その前後にポストMDGs意見交換会を開催するという方法がある。

NGO②
ぜひ9月のコンタクト・グループ会合前に開催してほしい。

外務省
その方向で検討する。


以上
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