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「動く→動かす」設立記念シンポジウムを開催
世界の貧困問題解決に取り組む約40の国際協力NGOによって設立された、貧困のない世界をつくるムーブメント「動く→動かす」。「動く→動かす」(GCAP Japan)は、その名の通り、貧困のない世界の実現に向けて、私たちが「動く」ことで、日本を、世界を「動かしていく」ムーブメントです。
2009年6月17日に「動く→動かす」の設立シンポジウムを東京・広尾のJICA地球ひろばで開催しました。シンポジウムが行われたのは「アフリカ子どもの日」の翌日。世界の貧困
をなくし、アフリカの子どもたちの笑顔にこたえるために、私たちは何ができるのかを参加者とともに考えました。
第1部 貧困のない世界を作るムーブメント
1.「動く→動かす」(GCAP Japan)は何を目指すか
「動く→動かす」運営委員、(特活)ハンガー・フリー・ワールド 冨田沓子氏
運営委員の冨田沓子さんより、動く→動かす設立までの経緯と今後の方針が説明されました。2008年のTICAD(アフリカ開発会議)、G8洞爺湖サミットでの経験を経て生まれた「動く→動かす」。日本政府への働きかけを行う政策チームと、世界の世界の市民社会と連携して、幅広い世論の支持を得るパブリック・モビリゼーション・チームを両軸としています。MDGs(ミレニアム開発目標)達成、そして貧困をなくす活動に向け活動を行っていきたいとのことでした。
冨田氏プレゼンテーション
2.動く→動かす」への期待Ⅰ
反貧困ネットワーク事務局長 湯浅誠氏
湯浅誠さんは特に、日本国内の貧困が、世界の貧困と同様、資源の不公正な分配が大きな要因の一つと考えられる、と述べました。世界の貧困について考えることと同様に、日本の貧困について考えることも重要であり、両者に本質的な差は存在しない、と指摘しました。
3.「動く→動かす」(GCAP Japan)への世界からのメッセージ
世界各地の市民社会や国連機関の方々から、メッセージをいただきました。
ご覧ください。
(1)クミ・ナイドゥー氏 (GCAP 共同議長)
(2)ウィニー・ビャニマ氏 (UNDP 開発政策局ジェンダーチーム・ディレクター)
(3)ミナール・ピンプル氏 (国連ミレニアム・キャンペーン)
(4)ラシーダ・チョードリー氏 (GCAP バングラディッシュ)
(5)チャールズ・アバニ氏 (GCAP アフリカ)
(6)スー・ムバヤ氏 (ワールド・ビジョン・アフリカ)
(7)サリル・シェティ氏 (国連ミレニアム・キャンペーン)
5.「動く→動かす」への期待Ⅱ
大野 泉氏 (政策研究大学院大学教授)
「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンやG8洞爺湖サミットでの経験を振り返ったうえで、ODA等の国内の枠組みを超えて、国際的な協力関係を結ぶための、さらなる市民の参加の重要性を述べました。その上で「動く→動かす」が市民と世界を結ぶ存在として期待されるだろうと述べました。
足達 英一郎氏 (株式会社日本総合研究所 主席研究員)
企業と市民社会の関係性の強化の重要性を指摘した上で、「動く→動かす」が、G8洞爺湖サミットや「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」等での様々な経験を活かし、また持続性のある活動を行っていくことを期待したいと述べました。
村田 俊一氏 (UNDP 駐日代表)
1996年のOECD-DAC(開発援助委員会)において、日本政府が主体となって貧困をなくすための枠組みの原型がつくられ、それがミレニアム開発目標(MDGs)に発展したと指摘。あれから13年たった今、現状はどのように変化したのか、私たちに問いかけた上で、ここで重要なのは、市民社会、政府、国際機関の距離感を縮めることであり、「動く→動かす」がこうした動きに大きく貢献するだろうと述べました。
6.メッセージ代読
(1)藤谷 健氏 (朝日新聞 外交・国際グループ次長)
※藤谷氏は当日お越しいただきメッセージをいただく予定でしたが、当日イランの大統領選の混乱に関する取材のため、急遽来られなくなったため、メッセージの代読を当日に行いました。
メッセージ
これまで15年以上発展途上国において開発や貧困の取材に携わってきた藤谷さんですが、近年の市民社会のネットワークの持続的な活動と、市民のアジア、アフリカへの関心の高まりは注目に値する、と指摘し、報道の側からも、市民社会側からもともにがんばっていきましょうとのメッセージをいただきました。
(2)武見敬三氏(ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員)、
(3)山本正氏((財)日本国際交流センター理事長)
武見氏、山本氏メッセージ
武見敬三氏からは、現代の世界で日本が可能性を発揮するためには、より多くの努力がなければならない都市、市民社会の役割に期待するとの趣旨のメッセージをいただきました。また、山本正氏からは、日本の市民社会の力量の向上を評価し、今後の「動く→動かす」の活動にエールを送るとのメッセージをいただきました。(詳細はPDFファイルをご覧ください)
第2部 「アフリカ子どもの日」に考える
トークセッション「私たちには何ができるか」
ファシリテーター
・片山 信彦氏 (特活) ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長
キーノートスピーチ
・
熊岡 路矢氏
JANIC 理事/東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」客員教授
熊岡氏よりキーノートスピーチを頂きました。スピーチでは、熊岡氏自身のエチオピアと南アフリカでの活動経験を事例として、人が動くことによりまたさらに人が動く、それが世界を動かす力になるような、そうした連鎖が重要であると述べました。
パネリスト
・
津山 直子氏
(特活) 日本国際ボランティアセンター
前日のアフリカこどもの日に関しての説明がなされました。1976年6月16日に南アフリカで起こったソウェト蜂起と、そこから始まるアパルトヘイト撤廃に向けての子供たちの活動に関して説明がなされ、こうした市民自らの連携の重要性が指摘されました。
津山氏プレゼンテーション
・
菊川 穣氏
(財) 日本ユニセフ協会係長/元ユニセフ・エリトリアHIV/AIDS コーディネーター
最近のユニセフの活動の紹介がありましたが、中でも国連ミレニアム宣言にある、社会で脆弱な立場にある人びとの保護という観点に着目した、若者たちへの支援を検討しているとのことで、例えばアフリカでの携帯電話を使った世論調査により、今まで知られていなかった若者たちの声に耳を傾ける活動を始めているとのことでした。
・
岩附 由香氏
(特活) ACE 代表/児童労働ネットワーク(CL-Net)事務局長
児童労働に関する活動を行っている岩附氏は、前日がアフリカ子どもの日であり、また「最悪の形態の児童労働」の条約が締結されて10年目である今年は非常に重要な年となる、と指摘。そこで行われる様々なキャンペーンの重要性に関して説明がありました。その上で、ガーナのカカオ生産に関しての児童労働を事例として、知らず知らずのうちに自分たちが使用しているもの、食べているものが、実は子供たちの手によって作られているかもしれない、誰かの搾取によって生み出されているかもしれない、と指摘しました。
・
山田 太雲氏
(特活) オックスファム・ジャパン アドボカシー・マネジャー
「動く→動かす」のアドボカシーを担う山田氏より、政策アドボカシーの説明として、G8洞爺湖サミットの国際保健部門における市民社会の活動における成果を紹介しました。その上で、行政の担当者や市民社会の一部の関係者だけで行われている活動という考え方から、世論を巻き込んだ全国規模での活動としてとらえる必要があることを指摘しました。
山田氏プレゼンテーション
パネリストからのコメント:「動く→動かす」への期待・提言
津山氏
大事なのは、実際問題に直面し現場で生きる人たちと「共に」動く、という考え方であると述べました。
菊川氏
(1)とりわけ政策に携わる当事者からの積極的な声が重要である点、(2)宗教関係者のネットワークへ、「動く→動かす」のような動きを伝えていくことがが重要である点を指摘しました。
岩附氏
パブリックモビリゼーションに関して、貧困と関係のないと思われる日常生活の中に入り込んでそれを示す必要があるのではないか、例えばうちわやオーガニック製品等が挙げられる、という点を述べました。
山田氏
エコ関連で最近よく見るようになった、『できることから始めよう』という個人のライフスタイルの変容を呼び掛けるキャンペーン。これも必要だが、それだけでは『国民運動』で終わってしまう。その人々の意思を受けて、一義的な責任主体である政府などの意思を問えるような、一歩踏み込んだキャンペーンができると良いとの考えを述べました
質疑応答
質問1.たとえばODAを見たとき、「地球の反対側にいる人たちのために」税金を使うということに対して、国内問題を優先すべきであるという声もあります。こうした声がある中で、具体的にどのような戦略を持って世論喚起(パブリック・モビリゼーション)を行っていくのでしょうか。
山田氏
:経済危機の下、確かに先進諸国でODAを減らそうという誘惑が強くなっていると思います。しかし元をただせば、貧しい人たちを社会的に放っておいてしまえ、というような政策の流れが動きがこの危機を招いたという見方もあります。また、ODAを多く出している国は総じて国内の貧困対策も手厚い。貧困はあってはならないという社会的合意を作り、そこに政策とお金を国内外を問わずに動員するような、パラダイム・シフトが必要ではないでしょうか。
質問2.企業との連携はどのようにするのでしょうか?
菊川氏
:企業との関連は非常に近年拡大して来ていると思います。ユニセフに関していえば、08年だけでもユニセフと企業とのパートナシーップは15~20億円規模で行われています。例えばボルビックやネピアのトイレットペーパー等があります。個人的な感覚としては、企業の分野において、例えば水や教育の問題に関してのポテンシャルが高いのではないかと思います。
世論喚起の戦略的な部分に関しては、私たち業界の者には考えにくい部分についてを多方面に進めていく必要があるでしょう。「動く→動かす」のロゴもその一例で、まだまだ開拓されていない方法があると思います。
岩附氏
:企業について一点。グローバルに活動する企業が増加する中で、こうした企業に対しては、だめなものはだめ、問題があればそこを指摘する視点が必要でしょう。一方で目的があってそれを共有でき、同様にそれに向けての手段、価値観が共有できることが重要なのではないかと思います。
質問3.ODAが減らされている中で、例えば欧州では活動のための族議員を作っていますが、日本ではそういったものはまだ少ないように思います。そうした中、具体的にでどのようなアドボカシーが考えられるのでしょうか。
山田氏
:確かに欧米では、市民社会の主張をしっかりと法案を作る形でサポートする議員が一定数い ます。対して日本の国会議員の間では、残念ながら、開発の問題を単なる「やさしさの問題」として処理する傾向があり、政治・政策的な取り組みになりにくい現状があります。こうした中で、たとえばG8爺湖サミット以来、私たちにも議員とのつながりがいくらかでき、それを豊かにしていく、また国際的な要請と整合する開発政策を検討する慣習を各党に求める動きが必要です。また、個別の議員レベルでは非常にコミットメントの強い人たちもいるので、こうした日常の中での活動をしっかりとさせていくことから始めたいと思います。
津山氏
:戦略に関しては、特に政府と市民社会が一緒に世論を喚起することが重要でしょう。
総括発言
稲場 雅紀 「動く→動かす」(GCAP Japan)運営委員会
最後に運営委員の稲場より、世界の不公正を正し、「貧困のない公正な世界」は実現できる、という力強いメッセージがありました。そして皆で「stand up!」の掛け声のもと会場の皆さん全員で立ち上がり、イベントを総括しました。
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